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久保田 直義; 落合 謙太郎; 沓掛 忠三; 林 孝夫; 洲 亘; 西 正孝; 西谷 健夫
プラズマ・核融合学会誌, 81(4), p.296 - 301, 2005/04
核融合炉におけるプラズマ対向壁表面近傍の水素同位体挙動は燃料リサイクリングを考えるうえで重要であり、特にDT燃焼炉においては安全管理のうえでも同様に重要である。原研FNSでは、核反応分析法を用いて、DD放電で使用されたJT-60Uプラズマ対向壁の分析を試み、ミクロンオーダーでの重水素分布及び、DD反応で生成されたトリチウム分布を明らかにしてきた。本研究では、DT放電で使用されたTFTRプラズマ対向壁表面近傍の元素深さ分布を測定し、トリチウムの挙動を明らかにすることを目的とした。分析した試料は、TFTR内側リミッタに使用されていた炭素繊維複合材タイルの一部を切り出したものである。核反応分析の結果、重水素とリチウムが一様に分布している一方で、トリチウムは深さ0.5mにピークを持つ分布を示すことがわかった。燃焼法によって報告されたバルクでの平均トリチウム密度と比較すると、タイル表面近傍にはトリチウムが1桁多く保持されていた。DD放電で使用したJT-60のタイルの場合、トリチウムは1.5mより深い場所に蓄積しているのに対し、 DT放電で使用したTFTRのタイルでは表面近くに蓄積しており、低エネルギーのトリチウムがおもに寄与していることを示している。